ペットとしてのうさぎの歴史

 このページでは、古代ヨーロッパの僧院から始まったとされる家畜としてのうさぎの歴史と、ペットとしてのうさぎの小型化の変遷と歴史をわかりやすくご紹介しています。

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家畜としてのうさぎ

 遠い昔の古代ローマの時代から、食用の小動物とされてきたうさぎは、中世のヨーロッパの僧院での品種改良によって、本格的な家畜としての歴史が始まりました。

 その後、時代は変わり、11〜12世紀頃になると、一般的な農家でもうさぎが飼われるようになっていきます。

 とはいっても家畜、つまり食用を目的として飼われていたことに変わりはなく、ペットとして飼われるようになるのは、それからずっと後の時代になってからのことでした。

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狩り(ハンティング)の獲物としてのうさぎ

 時代は変わって、16世紀頃になると、貴族たちの間で狩り(ハンティング)が流行するようになっていきます。

アナウサギの画像
アナウサギ Photo:JJ Harrison (jjharrison89@facebook.com)

 狩りに出かけるのは、もっぱら男性で、残された上流階級の貴婦人たちは、宮殿の庭園に捕らえてきた野生のアナウサギ(穴うさぎ)を放し、ビーグルやテリアといった小型の猟犬で、狩りの真似事を楽しんでいたようです。

 こうした貴婦人たちの間で始まった遊びの狩りがきっかけとなって、やがてペットとしてのうさぎの品種化が始まっていったとも考えられています。

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ペットとしてのうさぎ

 狩り(ハンティング)が流行していた16世紀頃の上流階級では、どこへ行くにしても馬車で行くというのが、ごくあたりまえのことでした。

 そして馬車の中で長時間過ごす際のなぐさみとして貴婦人たちの間でもてはやされたのが、膝の上で撫でて楽しむちいさな動物たちです。

 膝の上でなでて楽しむ動物として貴婦人たちに人気があったのは、やはりおとなしい性格の動物たち、たとえばペルシャ猫やマルチーズといった猫や小型犬でした。うさぎも、性格がおとなしく、なで心地よい毛を持つ動物として人気が集まるようになっていきました。


写真:サテン・アンゴラ

 こうしたことを背景として、当時トルコ原産の長毛種(アンゴラ)などを元にした品種改良が行われ、ようやく家畜ではなく、ペットとしてのうさぎが登場するようになります。

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ハウスラビットの登場

 ペット用に小型化されたとはいっても、長い間、ほとんどの品種が体重2kg〜3kgと大きく、現在の分類から言えば中型のうさぎが主流でした。

 日本にうさぎがやってきたのは16世紀頃のことで、オランダからやってきたうさぎは明治時代以降、毛皮は衣料用、肉は食料用と、まだペットとしてよりも家畜として利用されていました。


写真:白色日本種

 うさぎは、簡単に繁殖ができて食料になるということもあって、日本でもフレミッシユ・ジャイアントとニュージーランド・ホワイトを交配させて生まれた白い毛に赤い目でおなじみの白色日本種が各地で飼育され、一説によると1939年(昭和14)頃には全国で660万頭が飼育されていたともいわれています。

 その後,日本では第二次世界大戦以降、家畜としてのうさぎの飼育は減少の一途をたどり、ペットや医療分野での実験用としての飼育が増加していきました。


写真:ネザーランド・ドワーフ

 その後様々なうさぎの品種が生まれる中で、注目を集めたのがネザーランドドワーフと呼ばれる、体重1kgにも満たないちいさなうさぎたちです。

 ネザーランドドワーフや、同種から派生したドワーフラビット(交雑種)と呼ばれている小型のうさぎが人気を集めるようになるにつれて、うさぎの飼い方もそれまでの外飼いから、家の中で飼う室内飼いが主流になっていきます。

 こうした、家の中で飼われるうさぎたちのことをハウスラビットともいいます。

 ハウスラビットという言葉そのものは、まだ馴染みのない方も多いようですが、手のひらに乗ってしまうようなちいさなドワーフ種のうさぎたちは、もうすっかりおなじみですね。

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 ○当サイトの出典及び参考書籍:ハムスター・ウサギ・リスたちと暮らす本 (霍野晋吉監修 誠美堂出版)/とってもかわいい!ウサギの育て方(桜井富士朗監修 誠美堂出版)/ウサギとおしゃれに暮らす本 (鈴木麻子著 誠美堂出版)/小動物の飼育情報満載!スモールペット飼育ハンドブック(緑書房)


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