うさぎは寒さには強いけれど、暑さには弱い動物だといわれています。では、うさぎを飼う上での温度管理や湿度管理にはどんな注意が必要なのでしょうか? このページでは、うさぎが快適に暮らせる温度管理と湿度管理のポイントについてご紹介しています。
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うさぎは寒さに強く暑さに弱い動物だといわれていますが、そのいちばんの理由は、うさぎはほとんど汗をかかないため、もしも体温が上がりすぎても、発汗(汗をかくこと)によって上がりすぎた体温を効率よく下げる体温調節ができないということにあります。
たしかに、うさぎは両耳の皮膚が薄くなったところに密集した血管を流れる血液の温度を外気との熱交換によって下げるしくみを持ってはいますが、このしくみだけでは、被毛に覆われたうさぎの体温を効率よく下げるには十分ではありません。
そうしたことから、飼い主さんが飼育環境の温度を管理することで、うさぎの体温が上がり過ぎたり、逆に下がり過ぎたりしないような環境づくりが必要になります。
うさぎが体調を崩すことなく快適に過ごせる気温は、一般に16℃〜22℃、適正湿度は40%〜60%といわれています。
もちろんこの数字は、例えば長毛種と短毛種、若くて元気なうさぎと病気の治療中のうさぎ、高齢のうさぎ、まだ幼いうさぎといった、それぞれのうさぎの品種や健康状態、年齢などの個体差によって変化しますので、少し超えたくらいでは平気なうさぎもいます。
とはいえ、こうしたうさぎが快適に過ごせる適正な気温を大きく超えた状態が長く続くと、うさぎの食欲や行動にも変化が現れ、28℃を超えると熱中症などの危険性が高まり、多くの場合体調を崩したりそれが遠因となってうさぎの寿命を縮めてしまうことにもなります。
こうした適正でない環境の温度は、低い方でも同じで、比較的寒さには強いといわれているうさぎも、15℃以下の状態が続くと体調を崩して健康を損なってしまう危険性が高くなります。
もちろんさきほども少し触れたように、暑さ寒さに対する耐性には個体差がありますから、適正な温度帯を外れた環境にいたからといって、すぐさま体調に変化がでるとは限りません。大切なのは、自分の育てているうさぎが、暑さ寒さに対して、たとえば食欲が落ちる、行動が鈍るなどの小さなサインを出していることに早い段階で気づいてあげることです。
そのうえで、長毛種であれば、夏は被毛をカットしてできるだけ涼しく過ごせるように工夫したり、高齢のうさぎ、幼ないうさぎ、病気治療中のうさぎであれば、一般的にいわれている適性温度帯にこだわらず、そのうさぎ自身にもっとも適した適正な温度帯を早く見つけることが大切です。
うさぎが快適に過ごせる適正な温度帯、湿度帯をもっとも簡単に、そして確実に実現する方法として挙げられるのが、エアコンの使用です。エアコンを使えば、温度、湿度をあらかじめセットするだけで、一般的なうさぎが快適に過ごせる温度帯である16℃〜22℃、適正湿度40%〜60%を簡単に維持することができます。
ただし、エアコンを使用する場合は、エアコンから出る温風や冷風が直接うさぎに当たらないように、ケージの置き場所を工夫する必要があります。また、エアコンを使用していても、室内の中央と四隅では温度が違うといったこともありますので、うさぎが長い時間過ごしている場所に温度計を置いて、ときどき確認しておくと安心です。
飼育環境や、飼い主さんのライフスタイルによってはエアコンが使用できない場合もありますが、そうした場合は、たとえば扇風機の風を部屋の天井近くに送り、空気の対流を利用して部屋の温度をコントロールしたり、夏の暑さには水をいれたペットボトルを凍らせてタオルにくるみ、ケージの上に置いて冷えた空気をケージの中に送り込む工夫なども検討してみましょう。
冬の寒い時期や、気温の寒暖差が大きい地域であれば、前日の天気予報に注意して、たとえば朝方の冷え込みが強くなりそうなときは、前夜にうさぎが自分の体温で温まれるように毛布や保温マット、暖房用ハウスなどをケージにセットしておいたり、ケージそのものを毛布やダンボールで覆って外から入ってくる冷気を遮断しておくのも効果的です。
いずれにしても、飼い主さんが施した対策が、仮に暑すぎると感じたときや寒すぎると感じたときに、うさぎ自身が自分で移動して暑さ寒さを加減できる環境を工夫することにも留意してあげましょう。
ちなみに私たちのように発汗によって体温調節をするしくみを持つ動物であれば、扇風機の風に当たるだけでずいぶん涼しく感じますし、体温を効率よく下げることもできます。
ところがうさぎは発汗によって体温を調節するしくみがありませんので、まったく効果がないというわけではありませんが、うさぎは扇風機の風にあたっても私たちほどには涼しくは感じませんし、効率よく体温もさがりません。
うさぎは扇風機の風をケージに向けているから涼しいと感じている、というわけにはいかないことを心に留めておいてください。
○当サイトの出典及び参考書籍:ハムスター・ウサギ・リスたちと暮らす本 (霍野晋吉監修 誠美堂出版)/とってもかわいい!ウサギの育て方(桜井富士朗監修 誠美堂出版)/ウサギとおしゃれに暮らす本 (鈴木麻子著 誠美堂出版)/小動物の飼育情報満載!スモールペット飼育ハンドブック(緑書房)
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