このページでは、うさぎを1頭だけで飼う単独飼育と、2頭以上で飼う多頭飼育(ペア飼育)のメリット、デメリット、知っておきたいうさぎの縄張り意識と注意すべきポイントについてわかりやすくご紹介しています。
当サイトのすべてのページは、本文下の総合ページリンクからご覧いただけます。
|
アナウサギ Photo:JJ Harrison (jjharrison89@facebook.com)
現在ペットとして飼われているうさぎ(飼いうさぎ)は、アナウサギ(穴ウサギ)と呼ばれる野生のうさぎを元に、様々な品種改良を重ねて作り出されました。言ってみれば、ペットのうさぎは、みんなアナウサギの子孫とも言えます。
ですから、ペットとして人間に飼われているうさぎ(飼いうさぎ)も、その性質は野生のアナウサギと共通しているところがたくさんあります。
野生のアナウサギは、野山に巣穴を掘り、ゆるやかな繋がりを持った集団で暮らしています。そうしたことから、ペットの飼いうさぎ(カイウサギ)も集団生活のできる動物と思われがちですが、もともとアナウサギは縄張り意識がとても強く、たとえ仲間であっても縄張りをめぐって争うことも珍しくありません。
また、野生のうさぎは、一般的に1頭のオスに数頭のメスで構成された、ゆるやかなつながりを持った社会(ハーレム)を形成しています。
そのため、多頭飼育を前提に考えた場合、メスを奪い合う関係のオス同士の多頭飼育よりも、オスとメスの多頭飼育(ペア飼育)のほうがうまくいきやすいと考えていいでしょう。
アナウサギのそうした性質を受け継いでいるペットの飼いうさぎ(カイウサギ)も、品種や個体差もありますが、やはり縄張り意識が強く、オスとメスのペア飼育を別にすれば、よほど相性の良いオス同士でもなければ、同じケージで一緒に暮らすのは難しいと考えたほうがいいでしょう。
また、成長の早いうさぎは、生まれてからおよそ半年も過ぎると、出産ができるようになります。そして、うさぎは一度の出産で平均5〜6頭の子うさぎを産みますから、生まれた子うさぎたちにも、それぞれに別のケージが必要になってきます。
繁殖をするつもりがないのであれば、初めから雌雄別々のケージに入れて一緒にさせないようにするか、去勢手術を施した上でのペア飼育、もしくはペア飼育そのものを避けたほうがいいでしょう。
うさぎの飼い方には、オスもしくはメス1頭だけの単独飼育と複数のうさぎを一緒に飼う多頭飼い(多頭飼育)とがあります。そして多頭飼い(多頭飼育)には、オスもしくはメス同士の多頭飼育と、オスとメスのペア飼育とがあります。
単独飼育のいちばんのメリットは、いうまでもなく、育てる手間や飼育に必要なエサ代などの費用が1頭分で済むことです。
また仲間が他にいなければそのぶん飼い主にもなつきやすくなりますし、自分の名前も覚え易くなりますから、うさぎとのコミニュケーションもとりやすく、仲良くなるのにそれほど時間はかかりません。
また、単独飼育の場合は繁殖することもありませんから、あくまでも一般的な傾向としてですが、うさぎが長生きする可能性が高くなります。
個体差ももちろんありますので絶対とは言えませんが、一般に繁殖を経験していないうさぎは、繁殖を経験したうさぎよりも長生きする傾向があるといわれていますので、これも単独飼育のメリットのひとつといっていいかもしれません。
オス同士あるいはメス同士の多頭飼育(多頭飼い)では、なによりたくさんのうさぎに囲まれて過ごせるというのがいちばんのメリットといえるでしょう。
また、うさぎももともと緩やかなつながりをもつ群れの中で暮らす動物ということで、縄張り意識は強いものの、同じうさぎの仲間がいることから来る安心感からか、新しい環境になじみやすいというメリットもあります。
写真:ホーランドロップ
ただしそれは見方を変えれば、仲間がいることによって、飼い主になつくのに時間がかかる場合があるということでもありますから、そうした意味では、デメリットと言えるかもしれません。
そして多頭飼育(多頭飼い)のいちばんのデメリットは、やはり飼育にかかる手間や餌代などの費用が単独飼育に比べて大きくなるということでしょう。
また、ペットとしてうさぎを飼う場合は、たいていそれぞれのうさぎに名前を付けることになると思いますが、基本的に、うさぎは自分の名前と別の仲間の名前を区別することが苦手です。
そのため、多頭飼育(多頭飼い)の場合、名前を呼んでも全部のうさぎが一斉に振り向いたり、反応したりといったことなりがちです。
これからうさぎの飼い主さんになる方の気持ちを考えると、それぞれに名前をつけて呼んであげたいというのもよくわかります。考え方次第ですが、そういう意味では、これも多頭飼育(多頭飼い)のデメリットのひとつと考えていいかもしれません。
うさぎのオスとメスのペア飼育の場合、何よりも繁殖させることができるということがいちばんのメリットでしょう。
すでにご紹介しましたが、メスのうさぎは生まれて半年を過ぎる頃には、出産が可能になります。たくさんの子うさぎを育てたい、あるいは繁殖したいなら、何をおいてもペア飼育でなければなりません。
ただし、言い方を変えれば、それがデメリットになる場合もあります。それは、増えすぎるということです。
うさぎは、一度に平均で5〜6頭、多いときは10頭もの子うさぎを出産しますので、ケージを分けて育てるなどの管理をきちんとして、計画的に繁殖をしないと、増えすぎて里親探しに追われることになります。繁殖は、くれぐれも計画的に行ってくださいね。
○当サイトの出典及び参考書籍:ハムスター・ウサギ・リスたちと暮らす本 (霍野晋吉監修 誠美堂出版)/とってもかわいい!ウサギの育て方(桜井富士朗監修 誠美堂出版)/ウサギとおしゃれに暮らす本 (鈴木麻子著 誠美堂出版)/小動物の飼育情報満載!スモールペット飼育ハンドブック(緑書房)
当サイト、「うさぎ(兎)の飼い方・育て方」では、うさぎ(兎)の上手な飼い方と育て方、うさぎ(兎)の日常の健康管理、初めてでも楽しくうさぎ(兎)と暮らすための育て方のポイントをわかりやすくご紹介しています。
●当サイトのすべてのページは、サイトのページ一覧からご覧いただけます。
●関連サイト:猫の不思議と秘密
スポンサーリンク
|
●アナウサギ(穴うさぎ)と飼いうさぎ | ●飼いうさぎと野うさぎの違い |
●アナウサギの暮らしと習性 | ●ペットとしてのうさぎの歴史 |
●うさぎの品種改良の歴史 | ●名前でわかるうさぎの特徴 |
●耳でわかるうさぎの成長後の大きさ | ●うさぎの寿命は何年? |
●うさぎの体の特徴と能力 |
スポンサーリンク
|
●元気で丈夫なうさぎの選び方 | ●うさぎの単独飼育とペア飼育(多頭飼育)のメリット・デメリット |
●うさぎと相性の良い動物・相性の悪い動物 | ●うさぎの入手方法と入手先 |
●揃えておきたいうさぎの飼育用品 | ●うさぎの室内飼育のメリット・デメリット |
●うさぎの屋外飼育のメリット・デメリット | ●うさぎの性格と感情表現 |
|
●うさぎの迎え方 | ●うさぎの抱き方・触り方 |
●うさぎのエサ(餌)の種類と選び方 | ●うさぎに与えてはいけない食べ物 |
●うさぎのエサ(餌)の与え方 | ●うさぎのブラッシングの方法 |
●うさぎのシャンプーの方法 | ●うさぎのしつけ方・叱り方 |
●うさぎのトイレのしつけ方 | ●うさぎ(兎)の爪の切り方 |
●うさぎにお留守番をさせるには | ●うさぎに散歩(外出)をさせるには |
●梅雨から夏のうさぎ飼育のポイントと注意点 |
スポンサーリンク
|
●ネザーランドドワーフの性格と特徴・育て方 | ●アメリカンファジーロップの性格と特徴・育て方 |
●イングリッシュ・ロップイヤーの性格と特徴・育て方 | ●ダッチの性格と特徴 |
●ドワーフラビット(雑種のうさぎ)の性格と特徴 | ●ドワーフロップの性格と特徴 |
|